「『週刊文春』編集長の仕事術」新谷学著
政界だけでなく芸能界を揺るがすスクープを連発する「週刊文春」。いったい、どうやって特ダネが生まれるのか? 現役の編集長が書いた本書は、情報源を暴露するものではない。スクープにいたるまでにどんな「仕込み」をするのかを披歴。そこには週刊文春らしい「キーワードとエピソード」が入っている。「いい企画は見出しが浮かぶ」――シャブ&飛鳥やベッキーのゲス不倫。「オーソドックスな調査が結果を生んだ」――舛添公用車不正使用問題や甘利口利き疑惑。「断られてからが仕事」でものにした小泉純一郎インタビュー。スクープの水面下には記者の配置から悩み相談まで、自分に「明るい編集長であれ」と言いきかせる。
週刊誌作りの内幕本ではなく、サラリーマンに読んでほしいすぐれたビジネス書である。(ダイヤモンド社 1400円+税)