「江の島ねこもり食堂」名取佐和子著

公開日: 更新日:

 高2の佐宗麻布の家は江の島で民宿兼食堂〈半分亭〉を営んでいる。

 ある日、母が「荷物をまとめな。夜逃げするから」と言う。荷造りしていた母は繊細な装飾がついた貝のかんざしを、そっとポケットにしまった。一家は借金取りを騙し、船で島から逃げ出す。

 15年後、麻布は赤ん坊を連れて久しぶりに江の島を訪れる。見知らぬ女性が〈半分亭〉を引き継いでいて、注文した江の島丼は考案した麻布の祖父の味そのままだった。そして、その女性と麻布の因縁を解き明かしてくれたのは、曽祖母から代々託されてきた貝のかんざしだった。

 江の島の猫を守りながら食堂を営んできた家族の、100年にわたる物語。(ポプラ社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」