• facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger

「機密奪還」(上・下) マーク・グリーニー著 田村源二訳

 トム・クランシーの「ジャック・ライアン・シリーズ」は、クランシーの死後、マーク・グリーニーが書き継いでいる。これはその最新作だ。

 さまざまな国際謀略と戦う対テロ情報組織「ザ・キャンパス」の活躍を描く「ジャック・ライアン・シリーズ」をこれまで1作も読んでない方は、突然、この「機密奪還」を読むのはちょっと、と思われるかもしれない――が、大丈夫。なぜならこの「機密奪還」はシリーズ外伝であるからだ。工作員ドミニク・カルーソーの単独冒険行を描く本書は、これまでの作品と切り離して読めるのである。

 格闘術の師匠を殺されたドミニク・カルーソーが、その原因をつくった男(機密情報を漏らした国家安全保障会議職員)を、パナマからスイス、アルプスを越えてリビアまで、とことん追いかける話である。シリーズ本編のほうは、国を守るためという正義のニオイがどこかにあるが、この外伝は個人的な復讐のかおりが強いのが特徴で、モチーフはサバイバーズ・ギルト(生き残った者が死んだ者に抱く罪悪感)だ。

 訳者あとがきで指摘されているように、スノーデン事件やウィキリークス事件を彷彿させる展開もあり、その背景に、イスラム国、そしてイランやロシアの特殊部隊の暗躍がある。それらの敵と戦いながら標的を追い掛けるドミニク・カルーソーのマンハントを、たっぷりと堪能されたい。(新潮社 上・790円+税 下・710円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “元彼”と同時引退? 幻に消えた安室奈美恵の「再婚」報道

  2. 2

    右肘手術をさせたいエ軍と避けたい大谷翔平…暗闘の全内幕

  3. 3

    OBも疑心暗鬼 巨人・由伸監督“続投示唆”から急失速のナゾ

  4. 4

    錯乱答弁を連発 テレビ討論でバレた安倍首相の薄っぺらさ

  5. 5

    「9.16」引退宣言 安室奈美恵がこの1年で稼いだ驚きの金額

  6. 6

    大谷“19勝&350打席”監督予言 2年後には年俸総額150億円も

  7. 7

    iPhone入手困難に? 米との貿易戦争激化で中国に“奥の手”

  8. 8

    台湾4割スラッガー王柏融めぐり 巨人vs阪神で争奪戦勃発

  9. 9

    今季ワースト4日間7097人 男子ツアーの閑古鳥は誰の責任か

  10. 10

    降って湧いた放映権問題で…LPGAと大会主催者の対立が激化

もっと見る