「マクソーリーの素敵な酒場」 ジョゼフ・ミッチェル著、土屋晃訳

公開日:

 ジョゼフ・ミッチェルは、1938年から雑誌「ニューヨーカー」のスタッフライターとなり、以後、60年代半ばまで数多くの名物コラムを執筆。彼の興味は善人や偉人ではなく、もっぱら夢想家、偏執狂、詐欺師、狂信者といった社会の辺境にいるような人たちに向かい、そのユーモアを踏まえた洗練された文章は、多くの人たちから愛された。

 本書には、最初の著作「マクソーリーの素敵な酒場」から10編が収められている。冒頭の「故郷のなつかしき家」は、表題にあるニューヨーク最古の酒場「マクソーリーズ」の年代記。頑固に変化を拒否してきた歴代の主人たちや、店に集う近所の労働者や貧乏学生、年金暮らしの老人たちを丁寧にスケッチしていく。

 そのほか、「悪態防止連盟」創設者、ロングフェローの詩をカモメ語に翻訳しようとする「カモメ教授」、世界で一番長いヒゲを生やす女性のサーカス芸人といったユニークな人物が登場する。

 ミッチェルの作品がこうしてまとめて読めるのは、慶賀すべき壮挙。(柏書房 1800円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    早とちり小池知事…都が鑑定の“バンクシー作品”には型紙が

  2. 2

    警察が運営阻止? 6代目山口組・高山若頭に早くも再逮捕説

  3. 3

    全豪OPで話題…大坂なおみが“スリム”になった深~い理由

  4. 4

    30歳適齢期は昔話 石原さとみ&深田恭子が結婚しないワケ

  5. 5

    したたか仏政府 ルノーとの経営統合要求で日産“強奪”狙い

  6. 6

    “年金博士”警鐘 支給年齢「68歳引き上げ」が意味すること

  7. 7

    劇的試合続くも外国人記者ソッポ…錦織圭はなぜ“不人気”か

  8. 8

    持ち家派も…定年後は限りなく“住居費負担ゼロ”を目指す

  9. 9

    年商200億円の深キョン新恋人 “ホコリだらけ”の女性遍歴

  10. 10

    やっぱり賃金は下がっている 虚飾の政権で沈む日本経済

もっと見る