「マクソーリーの素敵な酒場」 ジョゼフ・ミッチェル著、土屋晃訳

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 ジョゼフ・ミッチェルは、1938年から雑誌「ニューヨーカー」のスタッフライターとなり、以後、60年代半ばまで数多くの名物コラムを執筆。彼の興味は善人や偉人ではなく、もっぱら夢想家、偏執狂、詐欺師、狂信者といった社会の辺境にいるような人たちに向かい、そのユーモアを踏まえた洗練された文章は、多くの人たちから愛された。

 本書には、最初の著作「マクソーリーの素敵な酒場」から10編が収められている。冒頭の「故郷のなつかしき家」は、表題にあるニューヨーク最古の酒場「マクソーリーズ」の年代記。頑固に変化を拒否してきた歴代の主人たちや、店に集う近所の労働者や貧乏学生、年金暮らしの老人たちを丁寧にスケッチしていく。

 そのほか、「悪態防止連盟」創設者、ロングフェローの詩をカモメ語に翻訳しようとする「カモメ教授」、世界で一番長いヒゲを生やす女性のサーカス芸人といったユニークな人物が登場する。

 ミッチェルの作品がこうしてまとめて読めるのは、慶賀すべき壮挙。(柏書房 1800円+税)

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