「最後はスマートに逝きたいね」の生前の言葉通りに
「ふたりからひとり~ときをためる暮らし~それから」つばた英子・つばたしゅういち著
著者夫婦は、山を削った造成地に丸太小屋を建て、土を耕し、木を植えて、長年、2人で自給生活を送ってきた。しかし、15年に夫のしゅういちさんが91歳で他界。残された妻の英子さんがその後の日々を語るとともに、老いをも楽しむように生きる2人の暮らしを語った生前のしゅういちさんの言葉を紹介する聞き語り集。
「最後はスマートに逝きたいね」と言っていた通り、何の前触れもなく突然逝ってしまった最愛の夫の最期、建ててから四十数年、古びるどころかどんどん趣を増す家のこと、ほどよいすき間が必要だという「夫婦なかよしの秘訣」、老後の備えも貯蓄もせず、今を生きることを大事にしてきたというその人生哲学など、飾らぬ言葉で、豊かに生きるとは、どういうことかを教えてくれる。(自然食通信社 1800円+税)