電車に乗れば誰もが一心不乱に…「スマホ地獄」の行く末

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「スマホ廃人」石川結貴著

 子育てのストレスからオムツ替えの最中もスマホを手放せなくなった母親。「まわりに嫌われたくない」といくつものLINEグループを使い分け、学校内の序列(カースト)の上下に悩む女子中高生。ソシャゲ(ソーシャルゲーム)にハマったあげく万引に手を染め、進学校を中退し、ソシャゲ仲間の社会人からいいようにあしらわれて引きこもりになった男子高校生。70過ぎて老妻の介護に疲れ果て、ネット麻雀にハマって片時もスマホを放さなくなった老人……。

 ページをめくるたびに次から次へと気のめいるような実例が続々と出てくる。他方で外勤の営業マンはGPSつきのスマホを会社から支給され、昼飯をどこで食ったかまで把握されている。コンビニのイートインで一服していると上司から「調子はどう?」とやんわり圧力をかけるメッセージが入るのだ。要は常時監視されているということである。

 最初はキーボードでコマンドを打ち込んで操作したパソコンは、いまや指先でツルツルすれば幼児でさえ使いこなせる機械となった。

 スマホブームを巻き起こしたアップルのスティーブ・ジョブズは、自分の子どもたちにはスマホに触らせなかったというエピソードをいま一度噛み締めたい。(文藝春秋 740円+税)

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