「プレイガイドジャーナルよ 1971~1985」村元武著

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 東の「ぴあ」、西の「プレイガイドジャーナル」と並び称された、70~80年代のサブカルチャーを牽引した情報誌、通称「プガジャ」には、思い入れのある人も多いだろう。本書は、1971年の創刊編集長であり、その後も同社社長として雑誌の経営に関わってきた著者の手による回想録。

 同誌は単なる情報誌ではなく、自主製作映画作家の連続上映会、井筒和幸「ガキ帝国」の共同製作、黒テント、つかこうへい劇団、東京ヴォードヴィルショーなどの演劇公演プロデュース、「春一番」など関西フォークの音楽コンサートの主催、漫画家いしいひさいちを見いだし、ベストセラー「バイトくん」を刊行するなど、その活動は多岐にわたる。70~80年代を体感している人には、上記の名前を見ただけで懐かしさを覚えるはず。

 本書には、多様なジャンルで活躍した人たちの名前が細かな説明なしに羅列されていく。その名前をたどっていくだけでも、あの時代の空気、そして同誌の熱い思いが伝わってくる。(東方出版 1600円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

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