「プレイガイドジャーナルよ 1971~1985」村元武著

公開日: 更新日:

 東の「ぴあ」、西の「プレイガイドジャーナル」と並び称された、70~80年代のサブカルチャーを牽引した情報誌、通称「プガジャ」には、思い入れのある人も多いだろう。本書は、1971年の創刊編集長であり、その後も同社社長として雑誌の経営に関わってきた著者の手による回想録。

 同誌は単なる情報誌ではなく、自主製作映画作家の連続上映会、井筒和幸「ガキ帝国」の共同製作、黒テント、つかこうへい劇団、東京ヴォードヴィルショーなどの演劇公演プロデュース、「春一番」など関西フォークの音楽コンサートの主催、漫画家いしいひさいちを見いだし、ベストセラー「バイトくん」を刊行するなど、その活動は多岐にわたる。70~80年代を体感している人には、上記の名前を見ただけで懐かしさを覚えるはず。

 本書には、多様なジャンルで活躍した人たちの名前が細かな説明なしに羅列されていく。その名前をたどっていくだけでも、あの時代の空気、そして同誌の熱い思いが伝わってくる。(東方出版 1600円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  2. 2

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  3. 3

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 4

    「べらぼう」大河歴代ワースト2位ほぼ確定も…蔦重演じ切った横浜流星には“その後”というジンクスあり

  5. 5

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  1. 6

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  2. 7

    高市首相の台湾有事発言は意図的だった? 元経産官僚が1年以上前に指摘「恐ろしい予言」がSNSで話題

  3. 8

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  4. 9

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  5. 10

    高市政権の「極右化」止まらず…維新が参政党に急接近、さらなる右旋回の“ブースト役”に