「プレイガイドジャーナルよ 1971~1985」村元武著

公開日: 更新日:

 東の「ぴあ」、西の「プレイガイドジャーナル」と並び称された、70~80年代のサブカルチャーを牽引した情報誌、通称「プガジャ」には、思い入れのある人も多いだろう。本書は、1971年の創刊編集長であり、その後も同社社長として雑誌の経営に関わってきた著者の手による回想録。

 同誌は単なる情報誌ではなく、自主製作映画作家の連続上映会、井筒和幸「ガキ帝国」の共同製作、黒テント、つかこうへい劇団、東京ヴォードヴィルショーなどの演劇公演プロデュース、「春一番」など関西フォークの音楽コンサートの主催、漫画家いしいひさいちを見いだし、ベストセラー「バイトくん」を刊行するなど、その活動は多岐にわたる。70~80年代を体感している人には、上記の名前を見ただけで懐かしさを覚えるはず。

 本書には、多様なジャンルで活躍した人たちの名前が細かな説明なしに羅列されていく。その名前をたどっていくだけでも、あの時代の空気、そして同誌の熱い思いが伝わってくる。(東方出版 1600円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  1. 6

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 7

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  5. 10

    日本ハムはシブチン球団から完全脱却!エスコン移転でカネも勝利もフトコロに…契約更改は大盤振る舞い連発