「大田舎・東京」古市憲寿著

公開日: 更新日:

 都バス[市01]は新橋駅前から築地中央市場、朝日新聞社前を通り新橋駅前に戻る循環バスだ。築地市場内を通るため、座席にビニール素材が使われているという市場仕様のバスである。築地市場は老朽化のため豊洲に移転が決まったが、豊洲も土壌汚染などの問題で移転延期となった。朝日新聞は吉田証言などでトラブル続き。この路線は、呪われた場所を結んでいるのだ。

 足立梅田町から浅草寿町に行く[草41]は、鴬谷駅前を通るが、鴬谷北口はラブホテルとデリヘルの街、南口は吉原ソープの玄関口だ。その一方で東京国立博物館や上野寛永寺の霊園にも近い「エロスとタナトスの街」なのだ。

 社会学者が都バスから見た東京の街の秘密。(文藝春秋 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち