「鎖国の地球儀」松尾龍之介著

公開日: 更新日:

 江戸時代に長崎の天文地理学者・西川如見が著した日本初の世界地誌「華夷通商考」。鎖国の時代にオランダ船から得た情報を基に世界事情を紹介したこの本は、ベストセラーになったという。

 江戸時代の人々は、出島という小さなのぞき窓から見えた世界をどのようにとらえていたのか。本書は、そんな当時の世界の見方が見えてくる「華夷通商考」を現代語訳し、イラストとともに解説文を加えた貴重な一冊だ。

 興味深いのは、全5巻のうち中国が縁の深い国として2巻を割いて紹介されており「外国」とはされていないことだ。

 中国以外で漢字を用いる国を「外国」とし、漢字を用いない国を「外夷」として、外夷をどこか下に見るように分けて考えている。

 特産品までが、事細かに書かれている中国に対して、縁もゆかりもない国をまとめた5巻「夷狄戎蛮」には小人国などのホラ話のような逸話も。

 鎖国時代の人々の、旺盛な好奇心を垣間見ることができる。

(弦書房 2300円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    和久田麻由子の日テレ新番組は厳しい船出…《NHKだったから良かっただけのアナ》とガッカリの声

  2. 2

    国会前デモ「ごっこ遊び」揶揄で炎上の高市チルドレン門寛子議員 被害者ヅラで取材依頼書さらし“火に油”

  3. 3

    Adoの初“顔出し”が話題 ミステリアス歌手の限界と20年非公表の「GRe4N BOYZ」との違い

  4. 4

    TBS「テレビ×ミセス」のスマスマ化で旧ジャニ不要論が加速 “体を張るイケメン”の専売特許は過去のもの

  5. 5

    目黒蓮のGW映画もヒット確実も…新「スタート社の顔」に潜む “唯一の落とし穴”

  1. 6

    「自転車1メートル規制」で渋滞発生 道路交通法改正とどう付き合うべきか

  2. 7

    中居正広氏の公式サイト継続で飛び交う「引退撤回説」 それでも復帰は絶望的と言われる根拠

  3. 8

    嵐の大野智と相葉雅紀、二宮和也が通信制高校で学んだそれぞれの事情

  4. 9

    宮舘涼太は熱愛報道、渡辺翔太はSNS炎上、目黒蓮は不在…それでもSnow Manの勢いが落ちない3つの強み

  5. 10

    佐々木朗希に芽生えた“かなりの危機感”…意固地も緩和?マイナー落ち、トレード放出に「ヤバいです」