「笑いのカイブツ」ツチヤタカユキ著

公開日: 更新日:

 人付き合いは苦手だが、お笑いが心底好きだった少年・ツチヤタカユキが、NHK「ケータイ大喜利」で最高評価を得て「レジェンドになる」ことを目標にネタづくりを始めたのが高校1年のとき。

 1日100個のネタ出しを自分に課してネタ出しの訓練を重ねた結果、フリーターとなった後には1日500個、20歳では1000個ものネタを出すようになった。生活のすべてを笑いづくりに捧げた彼は、ついに21歳で念願のレジェンドを獲得し、吉本の劇場作家になっていく。

 しかし、人間関係を無視して笑いづくりだけに専念する姿勢は周囲から嫌われるようになり、次第に居場所をなくしていく。

 笑い以外に何もない彼は、27歳にして、全財産ゼロ円、無職、童貞の三拍子が揃った男になっていた。果たして、彼は起死回生を果たせるのか……。

 本書は、生活のすべてを笑いに捧げる伝説のハガキ職人の半生をつづった自叙伝的小説。その突き抜けた生き方が、ウェブでの連載時から反響を呼んだ。

 (文藝春秋 1350円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  3. 3

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  4. 4

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  5. 5

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  1. 6

    山本淳一は「妻をソープ送り」報道…光GENJIの“哀れな末路”

  2. 7

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  3. 8

    巨人・岡本和真が狙う「30億円」の上積み…侍ジャパン辞退者続出の中で鼻息荒く

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    光GENJIは全盛期でも年収3000万円なのに…同時期にジャニー&メリーが3億円超稼げていたワケ