「貧困の戦後史」岩田正美著

公開日:  更新日:

 貧困には「かたち」がある、というのが著者の考え方だ。時代によって、地域によって特色があるという。

 たとえば敗戦直後は、食べるものすらないというかたち。戦争で生み出された浮浪者、浮浪児たちは「かりこみ」によって強制収容され、その一部は炭鉱労働者として送り出される。また旧満州の開拓者や軍人は帰国後、国内開拓民として僻地に追いやられ、酪農家として借金に苦しむ。それが後の海外移住を促進する政策につながる。

 また、高度成長期の大衆消費社会の実現が、多重債務問題を引き起こし、バブル崩壊後、ホームレスを誕生させることにつながった。

 貧困の問題を個人の自立に偏りさせ過ぎることを問題視し、住宅手当の支給、こどもの養育費用の支援、福祉貸し付けの充実などを提案する。(筑摩書房 1800円+税)


日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “年金博士”警鐘 支給年齢「68歳引き上げ」が意味すること

  2. 2

    地方は“安倍自民NO” 高知新聞「内閣支持率26%」の衝撃

  3. 3

    JOC会長を猛批判 小池知事に長男・竹田恒泰氏との“因縁”

  4. 4

    年商200億円の深キョン新恋人 “ホコリだらけ”の女性遍歴

  5. 5

    常盤貴子「グッドワイフ」上昇のカギは美魔女の輝きと気概

  6. 6

    広島対策は“丸投げ”? 巨人スタッフ会議で投打コーチ言及

  7. 7

    高校ラグビー決勝戦で話題に 各地の「桐蔭」の由来は?

  8. 8

    主力組中心か…アジア杯サウジ戦の予想布陣に釜本氏が疑問

  9. 9

    史上最弱横綱・稀勢の里 引退した途端“英雄扱い”の違和感

  10. 10

    ボールの下にバットを入れる“ホームラン打法”に対する誤解

もっと見る