「豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件」倉知淳著

公開日: 更新日:

 飯塚勝男二等兵は陸軍特殊科学研究所で、空間をひっくり返す「空間転位式爆撃装置」の研究に従事している。当番交代の時間に景浦二等兵を呼びに行ったら、彼の死体を発見、周囲に豆腐のかけらが散らばっている。その前日、景浦は正木博士に「豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまえっ」と罵倒され、夜食だと豆腐を渡されたのだった。

 飯塚が豆腐で撲殺したと疑われたが、正木博士は、豆腐を凍らせて凶器にするには氷点下40度くらいにしないと無理だという。すると刀根少佐が、実験の第1段階が成功して、空間逆転現象が起こり、凸状になった部屋の隅にぶつかったのではないかと言いだした。(表題作)

 奇妙奇天烈な事件やユーモラスなミステリーなど6編。

 (実業之日本社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  3. 8

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  4. 9

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  5. 10

    中山美穂さんが「愛し愛された」理由…和田アキ子、田原俊彦、芸能リポーターら数々証言