「にらみ」長岡弘樹著

公開日: 更新日:

 片平刑事は殺人事件の被疑者、保原を知っていた。4年前、保原が事務所荒らしで懲役5年の判決が出された公判を傍聴したのだ。

 担当した捜査員の代わりに、自供どおりのことを話すか最前列で確認する「にらみ」という任務である。

 保原は仮釈放後、就職した工場でいじめを受けてやめ、収入がなくなり、彼を担当した保護司の石橋マサ江が貯めている金を盗もうと、農薬を飲ませて殺したという。その現場を隣家の主婦に目撃された。だが、片平は、保原がマサ江の正面に立っていたということに違和感を覚えた。そんな姿勢で毒を飲ませることができるのか。(「にらみ」)

 読者の意表を突くミステリー7編。

 (光文社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 2

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    安倍元首相銃撃裁判 審理前から山上徹也被告の判決日が決まっている理由

  5. 5

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  1. 6

    マツコ・デラックスがSMAP木村拓哉と顔を合わせた千葉県立犢橋高校とは? かつて牧場だった場所に…

  2. 7

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」