「大江戸人情花火」稲葉稔著

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 文化5(1808)年の秋、幕府御用達の花火屋・鍵屋では、翌年用の花火づくりが始まっていた。ある日、職人の清七は主の弥兵衛に呼ばれ、暖簾分けによる独立話を持ち掛けられる。清七は、跡取り息子や番頭らを差し置き、なぜ自分が声をかけられたのか分からない。それでもまたとない機会だと、独立を決断する。

 年末、鍵屋での仕事を終え、弥兵衛に挨拶に行った清七は、番頭たちの会話を耳にして、やはり暖簾分けには何か裏があることを知る。それならそれで、江戸で一番の花火屋になってやると、清七は「玉屋」と名付けた店の準備に奔走する。

 鍵屋と競い合い、江戸の人気を二分した花火師・玉屋市兵衛の半生を描く時代人情小説。

(徳間書店 720円+税)


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