「大江戸人情花火」稲葉稔著

公開日: 更新日:

 文化5(1808)年の秋、幕府御用達の花火屋・鍵屋では、翌年用の花火づくりが始まっていた。ある日、職人の清七は主の弥兵衛に呼ばれ、暖簾分けによる独立話を持ち掛けられる。清七は、跡取り息子や番頭らを差し置き、なぜ自分が声をかけられたのか分からない。それでもまたとない機会だと、独立を決断する。

 年末、鍵屋での仕事を終え、弥兵衛に挨拶に行った清七は、番頭たちの会話を耳にして、やはり暖簾分けには何か裏があることを知る。それならそれで、江戸で一番の花火屋になってやると、清七は「玉屋」と名付けた店の準備に奔走する。

 鍵屋と競い合い、江戸の人気を二分した花火師・玉屋市兵衛の半生を描く時代人情小説。

(徳間書店 720円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁の「清純派枠」を狙うのは"二股不倫報道”の田中圭と同じ事務所の有望株という皮肉

  2. 2

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  3. 3

    橋本環奈『天久鷹央の推理カルテ』コア視聴率も低迷…パワハラ報道前からあった"上げ底人気"疑惑

  4. 4

    趣里と三山凌輝に結婚報道…“希代のワル”羽賀研二を彷彿とさせる男の登場に水谷豊どうする?

  5. 5

    慶応幼稚舎の願書備考欄に「親族が出身者」と書くメリットは? 縁故入学が横行していた過去の例

  1. 6

    ベッキー不倫騒動が教訓 LINEはこうして筒抜けになる

  2. 7

    自民“裏金議員”西田昌司氏が沖縄戦に許しがたいイチャモン…次期参院選に推薦した公明は真っ青

  3. 8

    上智大は合格者の最大40%も…2021年から急増した「補欠合格」の現状

  4. 9

    人間の脳内のマイクロプラスチック量は「使い捨てスプーン」サイズ…8年前より1.5倍に増えていた

  5. 10

    嵐「解散ビジネス」で荒稼ぎの皮算用…総売り上げは500億に? 2026年5月に活動終了