「あまからカルテット」柚木麻子著

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「女の友情はハムよりも薄っぺらい」という言葉があるが、果たしてそうか。アラサーともなると、未婚、既婚、子供のあるなしといった、ライフステージの変化によって関係が疎遠になることもあるようだが、それは男だって同じこと。

 本書に登場する女子中学以来の仲良し4人組は、そんな既成概念をはねのけて、変わらぬ友情を育んでいる。そしてその重要な要素に「食」があるのがミソ。

【あらすじ】咲子、薫子、満里子、由香子のアラサー4人組は、14歳のころから月に1度、咲子の家に集まりティーパーティーをするのが習慣となっていた。自宅でピアノを教えている咲子は、引っ込み思案で恋には奥手。その咲子が、花火大会で隣に居合わせた男に一目惚れするが、連絡先も聞かず別れてしまう。それを聞いた他の3人は、彼からもらった稲荷寿司を手掛かりに居場所を捜しに出かける。

 唯一の既婚者、由香子は、得意な料理をブログに上げ、そのブログが人気となり、編集者である薫子が本にすることに。ところが由香子は、中傷するブログに傷つき引きこもってしまう。そんな由香子のために3人は、幼い由香子の思い出の甘食を一緒に食べた女の子を見つけ出す。颯爽とした美人で美容部員の満里子は恋人にふられ未練たらたらだったが、特別なハイボールに出合ったことで、ある決断をする。咲子の恋人捜しをきっかけに先輩編集者と結婚した薫子は、仕事と家庭の両立に悩むが、それを救ってくれたのは絶品のラー油だった。

【読みどころ】最後は4人共同で作るおせち。時にぶつかり合いながらも、変化するライフステージに応じて新たな友情を築いていく4人組。この先どんな料理が彼女らを結びつけるのだろうか。 <石>

(文藝春秋 590円+税)

【連載】文庫で読む 食べ物をめぐる物語

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