「地下道の鳩」ジョン・ル・カレ著、加賀山卓朗訳

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 イギリスのスパイ小説の巨匠が自らの破天荒な人生を振り返る回顧録。

 作家の人生は、生まれ落ちたその瞬間からドラマに満ちていた。父親のロニーは悪名高き詐欺師だった。父のお供で大金が飛び交うモンテカルロのカジノに出入りしたり、詐欺の片棒を担がされたりした体験が、まるで小説のように語られる。

 そんな父親から逃れるようにスイス・ベルンの大学に進学した氏は、イギリスの諜報機関に勧誘され、長じて、東西冷戦時代にMI5、MI6の一員として諜報活動に携わることになる。1960年代に二重スパイ事件でイギリスを揺るがせたキム・フィルビーなど、後々に作品のモデルや題材となる人々のエピソードや華麗なる交流録まで。創作の秘密が明かされるファン必読本。

 (早川書房 1180円+税)

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