祖父さまがひっくり返っちまった
母があの世へ旅立ち、しばらくは何も考えられなかったが、このごろやっとそんなふうに思えるようになっていた。
「東雲屋さんには、いつまでに返事をするの」
おきよが浮かない顔で訊ねる。
「秋造りの仕込みが終わる頃には……。いずれにせよ、おきよちゃんに話を聞いてもら…
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り1,319文字/全文1,459文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】