著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

タレント歩りえこさんは手術費326万円…がん治療の自己負担額を抑えるコツ

公開日: 更新日:

 大腸がんで闘病されているタレント歩りえこさん(44・写真)がSNSに投稿した手術費用のネタが話題です。

「私、退院してから領収書を3枚広げたんだけど。え…なにこれ…医療費のフルスペック版(10割)が 326万円て、高級車???」

 ユーモアたっぷりの表現でその内訳についても記しています。確かに金額だけ見ると高額でしょうが、歩さんも「日本の健康保険は最強」と念を押しているように、日本は皆保険制度を導入していて、患者さんの負担額はその1~3割で、歩さんのような現役世代は3割負担です。計算すると96万円ほどですが、実際にはさらに負担が軽減されます。

 それが高額療養費制度です。同一月に支払った医療費の負担額を一定額に抑える仕組みで、超過分は還付されます。世帯で合算されるほか、超過する月が直近12カ月で3回あると4回目からは多数該当に当てはまり、さらに負担額が抑えられるのです。

 負担額の計算方法は年齢と年収で異なります。たとえば、69歳以下の現役世代で年収が370万~770万円の場合、8万100円+(医療費-26万7000円)×1%で計算。この式に歩さんの金額を当てはめると、大体11万円です。軽減効果が大きいことが分かります。

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