「裸の華」桜木紫乃著
ステージ中に足を骨折したストリッパーのノリカは、納得できる踊りができなくなり、ファンに別れも告げずに引退。踊り子デビューした札幌に戻り、ダンスシアターを開店するために奔走する。
店舗を仲介してくれた不動産屋の竜崎が、ダンサーやバーテンらのスタッフも集めてくれるという。面接の日、竜崎がダンサー候補の瑞穂とみのりを連れてきた。2人の踊りを見たノリカは、みのりのダンスの技術の高さに驚かされる。みのりは中性的で愛想がない分、瑞穂には可愛らしさがあった。
ノリカが2人の採用を決めると、バーテンダーの資格を持つ竜崎がカウンターに立ち、今度は自分の面接をしてほしいと言いだす。
直木賞作家が踊り子として生きる女性の矜持と葛藤を描いた長編小説。
(集英社 700円+税)