「孤独という道づれ」岸惠子著

公開日: 更新日:

 2018年初秋、岸はテレビで「アラン・ドロン ラストメッセージ」を見た。白髪で、ちょっぴり猫背になった82歳のアラン・ドロンは「ぼくはコメディアンとアクターはまったく別だと思う」と語った。コメディアンは与えられた役を考えて演じるが、アクターは自分のように偶然がもたらしたアクシデントだと。「太陽がいっぱい」のルネ・クレマン監督は何も知らないドロンに「自分の歩き方で歩き、自分のしゃべり方でしゃべればいい」と言った。ドロンは「ぼくはあの役を演じてはいない。あの若者を生きたんだ」と。 岸は心の中でブラボォーとつぶやいた。

 85歳の見えとはったりが詰まったエッセー集。

(幻冬舎 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  3. 3

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    やす子の毒舌芸またもや炎上のナゼ…「だからデビューできない」執拗な“イジり”に猪狩蒼弥のファン激怒

  1. 6

    羽鳥慎一アナが「好きな男性アナランキング2025」首位陥落で3位に…1強時代からピークアウトの業界評

  2. 7

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 8

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  4. 9

    渡部建「多目的トイレ不倫」謝罪会見から5年でも続く「許してもらえないキャラ」…脱皮のタイミングは佐々木希が握る

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」