「関ヶ原合戦は『作り話』だったのか」渡邊大門著

公開日: 更新日:

 家康が幕藩体制を築く端緒となった関ケ原合戦は、歴史の重要なターニングポイントであった。しかし、合戦が膠着状態に陥った際に家康が小早川秀秋が陣を置く松尾山に向けて鉄砲を撃たせ攻撃への参加を促したなどのエピソードは、後に小説などで広まったもので、史実とは異なる。本書は、一次史料をもとに関ケ原合戦を改めて検証した歴史テキスト。

 秀吉が後事を託した五大老と五奉行。歴史辞典などでは五大老が格上だったように伝えられているが、実際はほぼ同格だったという。以後、石田三成襲撃事件や家康暗殺計画など、関ケ原にいたるまでの政治状況や、大名たちの思惑と攻防、そして合戦の詳細まで。最新の研究をもとにその真実を描き出す。

 (PHP研究所 900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした