「傾城 徳川家康」大塚卓嗣著

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 16歳の信長は萬松寺に行き、人質として預けられていた松平家の嫡男、竹千代を連れ出した。そして、西三河に立つ安祥城が陥落し、信長の異母兄、信広が今川に捕らえられたと告げた。

 だが、側室の子である信広を人質にしても意味がない。竹千代は今川の意図に気づいた。信広と竹千代の人質交換をもくろんでいるのだ。信長は鋭敏な竹千代が織田家の役に立つと考え、手放すのは惜しいと思った。だが、竹千代を返さなければ織田家内で内乱が起きる可能性もある。信長が「そのうち、迎えに行ってやる」と言うと、竹千代は「いつまでもお待ちしております」と答えた。信長はその唇に接吻した。(「城なし子」)

 織田、今川に寵愛され、戦国の世を生き抜いた家康を新しい視点で描く歴史小説。 (光文社 1900円+税)

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