「蟻たちの矜持」建倉圭介著
医療精密機器メーカーのアカベックは、外務省から東南アジアの国、ブルシアのODA案件への参加を打診された。同業の神津ケミクス、デイトロンとの3社合同という条件で、アカベックの内野匠也社長は承諾する。 ところが、神津ケミクスの神津義孝社長は現地の実力者に賄賂を贈ることを提案。内野は断るが、次にはブルシア政府要人にコネがある宍戸という人物を紹介された。宍戸との件がトラブルになり、神津ともめたことが傷害事件とされ、さらに内野の部屋から覚醒剤が発見される。ブルシアでは覚醒剤所持の最高刑は死刑だという。罠にはまった内野を救うために、内野の部下たちは前代未聞の作戦を立てる。
ODAをめぐる迫真の企業小説。
(光文社 1800円+税)