「指揮権発動」笹本稜平著
カブール市内のホテルで3人の日本人の死体が発見された。現地に向かった東京地検特別捜査部の検事、芦名誠一と警視庁公安部の沢木隆司警部は捜査を始める。週刊誌の記事で、この事件の背後で与党の大物政治家が暗躍していると報じられたため、官邸筋から密命が下ったのだ。現地の警察は反政府系によるテロだとみているが、狙われたのは日本人だけだ。彼らはODAの関係者だったが、そのうちのひとり、三宅和則のパソコンがなくなっていた。与党の総務会長と外務省が結託してODA予算を裏金として還流させていると見抜いた2人は、指揮権の発動を回避しようとするが……。
ODA金脈の利権隠しを追うサスペンス小説。
(KADOKAWA 1800円+税)