「雨降る森の犬」馳星周著

公開日: 更新日:

 中学3年の雨音は、山岳写真家の伯父・道夫が暮らす蓼科高原で同居生活を始める。父の死後、男遊びに目覚めた母親の妙子が、恋人とニューヨークに移住してしまったのだ。独身の道夫の家には大型犬バーニーズ・マウンテン・ドッグのワルテルがいた。

 ワルテルは、道夫が以前に飼っていたマリアとは異なり、新顔の雨音を見下すような態度を見せる。同級生の有紀らは、道夫の隣家の別荘を所有する国枝家の息子・正樹が気になって仕方ないようだ。連休を利用して、国枝家が別荘にやってきた。雨音はワルテルを通じて高校生の正樹と次第に親しくなる。ある日、道夫は雨音と継母を毛嫌いする正樹を近くの深い森に誘い出す。

 豊かな自然と犬が少女と少年の傷ついた心を癒やす感動長編。

(集英社 900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」