「女房を娶(めと)らば」辻堂魁著

公開日: 更新日:

 浅草、花川戸町の自身番で書役を務める可一は前夜、追いはぎ騒動が起きたことを知る。寄合旗本の安佐野家の隅田村の寮で毎夜催される賭場の客が、渡し船の船頭に成りすました追いはぎに有り金をさらわれたらしい。

 その日、可一は仕事の合間に人情小路の長屋に住む幼馴染みのお志奈を訪ねる。半月ほど前に相談があると言っていたのだが、その後、姿を見せず心配していたのだ。お志奈は留守で、亭主の三太郎によると、南町奉行所に住み込みの奉公に出ているという。

 夜、奉公先から一時帰宅したお志奈の目の前で三太郎が安佐野家用人・本庄の手下に連れ去られてしまう。追いはぎは三太郎の仕業だったのだ。お志奈は夫を連れ戻すために大胆な行動に出る。

 好評時代シリーズ「花川戸自身番日記」第2弾。

(祥伝社 720円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした