「女房を娶(めと)らば」辻堂魁著

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 浅草、花川戸町の自身番で書役を務める可一は前夜、追いはぎ騒動が起きたことを知る。寄合旗本の安佐野家の隅田村の寮で毎夜催される賭場の客が、渡し船の船頭に成りすました追いはぎに有り金をさらわれたらしい。

 その日、可一は仕事の合間に人情小路の長屋に住む幼馴染みのお志奈を訪ねる。半月ほど前に相談があると言っていたのだが、その後、姿を見せず心配していたのだ。お志奈は留守で、亭主の三太郎によると、南町奉行所に住み込みの奉公に出ているという。

 夜、奉公先から一時帰宅したお志奈の目の前で三太郎が安佐野家用人・本庄の手下に連れ去られてしまう。追いはぎは三太郎の仕業だったのだ。お志奈は夫を連れ戻すために大胆な行動に出る。

 好評時代シリーズ「花川戸自身番日記」第2弾。

(祥伝社 720円+税)

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