「ニッポン巡礼」アレックス・カー著
日本で暮らし、古民家再生の仕事で全国を巡ってきた著者が、日本の神髄に気づかせてくれる知る人ぞ知る「かくれ里」を巡るビジュアル紀行。
巡礼の旅は、比叡山麓の「日吉大社」から始まる。8世紀末、最澄が延暦寺を開創する際に、その前まで比叡山を守っていた神々を寺の守護神として祭ったのが日吉大社の始まり。現在の静寂からはうかがい知れない天台宗との激しい対立の歴史や、桃山文化絶頂期に建設された社殿の美しさ、天海大僧正の廟所である慈眼堂などを解説。
さらに同じ市内の牛塔や石山寺にも足を運ぶ。他にも、舞踏の創始者・土方巽と写真家の細江英公による写真集「鎌鼬(かまいたち)」の撮影地・秋田県の羽後町田代をはじめ、鳥取県八頭町、奄美大島など10の旅を多くの写真とともにつづる。
(集英社 1400円+税)