「サガレン」梯久美子著

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「サガレン」は樺太(サハリン)の旧名である。現在は宗谷海峡とサハリン島を横切る北緯50度線に国境線が引かれて、ロシアが実効支配中とはいえ、どの国にも帰属していない。北海道で育った著者は、雑誌でサハリン取材の企画が通って、ユジノサハリンスクから「サハリン号」に乗った。だが、なぜかどこにも「サハリン号」の表示はない。

 サハリンは風光明媚(めいび)とはほど遠い地なのに「国境見物」に訪れる人が多く、林芙美子もそのひとりだった。芙美子は1934年に旅したとき、ブズモーリエ駅であまりおいしくないパンを買った。当時、この辺りの駅ではポーランド人がパンを売っていたので、芙美子が買ったのはそのパンかもしれない。

 宮沢賢治、北原白秋らが旅した地を巡る紀行文。

(KADOKAWA 1700円+税)

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