「現代中国の秘密結社」安田峰俊著

公開日: 更新日:

 中国社会の裏側でうごめくさまざまな秘密結社の実態を明らかにしながら、その近現代史とリアルな中華圏社会を見つめ直すノンフィクション。

 中国の秘密結社は、本来は構成員同士の助け合いなどの目的から結成された「会党(フイダン)」と民間信仰の宗教的なつながりのもとに信者たちの人間関係が結ばれた「教門(ジャオメン)」に大別される。これに清朝や中国共産党の打倒などの政治目的を抱いて結成された「政治結社」が加わる。だが、3者の境界はあいまいだという。全世界にアメーバのように広がる会党のひとつ「洪門(ホンメン)」や、当局によって邪教として弾圧される気功集団「法輪功」や、「全能神」など。

 現代中国の理解に欠かせない秘密結社の知られざる世界を案内してくれる。

(中央公論新社 1012円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン