「現代中国の秘密結社」安田峰俊著

公開日: 更新日:

 中国社会の裏側でうごめくさまざまな秘密結社の実態を明らかにしながら、その近現代史とリアルな中華圏社会を見つめ直すノンフィクション。

 中国の秘密結社は、本来は構成員同士の助け合いなどの目的から結成された「会党(フイダン)」と民間信仰の宗教的なつながりのもとに信者たちの人間関係が結ばれた「教門(ジャオメン)」に大別される。これに清朝や中国共産党の打倒などの政治目的を抱いて結成された「政治結社」が加わる。だが、3者の境界はあいまいだという。全世界にアメーバのように広がる会党のひとつ「洪門(ホンメン)」や、当局によって邪教として弾圧される気功集団「法輪功」や、「全能神」など。

 現代中国の理解に欠かせない秘密結社の知られざる世界を案内してくれる。

(中央公論新社 1012円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち