「カラ売り屋VS仮想通貨」黒木亮著

公開日: 更新日:

 経営コンサルタントとして働いていた矢作幸作は、ある日渋谷で仮想通貨を扱う小さな両替所を目にした。矢作は、店番の男・水谷透の豊富な専門知識に舌を巻き、一緒に独立しないかと話を持ち掛ける。矢作は、仮想通貨業界のような成長性のある分野に転身したいと望んでいたのだ。

 意気投合したふたりは仮想通貨取引所・コインドリーム株式会社を設立。コインドリームは、設立直後から爆発的な利益をたたき出し、飛ぶ鳥を落とす勢いを見せる。しかし、そんなコインドリーム社に狙いを定めたある組織が動き出した……。(「仮想通貨の闇」)

巨大投資銀行」「カラ売り屋」など経済小説で人気の著者による最新作。収録されているのは、仮想通貨取引がテーマの「仮想通貨の闇」のほか、生き残りを画策する航空会社を描いた「巨大航空会社」、新興EVメーカーに仕掛けられた空売り攻防劇が繰り広げられる「電気自動車の風雲児」の3編。

 それぞれ実在する人物や出来事がモデルになっており、巻末の参考文献と金融・経済・法律用語集を参照しながら読むと、今の時代の経済問題がよくわかる。

(KADOKAWA 2090円)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束