「だからフェイクにだまされる」石川幹人著

公開日: 更新日:

 私たちがフェイクを信じてしまうのは、人類が「協力上手なサル」だからだという。太古の昔、祖先たちは食糧確保のため協力を余儀なくされた。ゆえに仲間を信じて同調する心理傾向が進化し、それが私たちにも備わっているというのだ。ウソをつけば、集団から追い出されるから、フェイクに対応する仕組みが必要なく、進化しなかったのだ。

 しかし、文明の時代になり信頼を悪用するフェイクが登場。さらに、近年の情報メディアは「フェイクニュースでも、注目を集めれば広告収入が入る」仕組みで、フェイクの起きやすい社会構造をつくり出している。

 本書は、「進化心理学」の視点から、フェイクをつくり出したり拡散したりする心理構造や社会構造を解説、フェイク問題への対応策を提示する。

(筑摩書房 858円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動