「東京盆踊り天国」佐藤智彦著

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 夏の風物詩である盆踊り。あえて参加してみようと思ったことはなかったが、そんな風景もコロナ禍でぱったりと見られなくなり、何とも言えない寂しさを感じていた。

 今年の夏は3年ぶりの行動制限のない夏。盆踊りも再開されるのではと思っていたところ見つけたのが、東京23区で開催される盆踊りを中心にガイドする本書だ。自称“盆踊りアンバサダー”の著者自身が体験して感動した厳選78の盆踊りの様子が写真付きで掲載されており、読んでいるだけで楽しくなってくる。

 よし、絶対に盆踊りに出かけるぞ! と意気込みながら過ごした今年の夏。8月末に満を持してお目当ての会場へと足を運んでみた。中央区の浜町公園で開催される「大江戸まつり盆おどり大会」だ。会場についてまず目に飛び込んできたのは、およそ50メートル四方の運動場中央に組まれた巨大な櫓(やぐら)。100を超える提灯で彩られているという本書の解説通り、都心の夕焼け空と橙色の明かりが美しく、江戸の華といった趣。祭りの風景を見るのも3年ぶりで盆踊りが始まる前からテンションが上がってくる。そしていざ踊りが始まると五重、六重と輪ができ会場の熱気もうなぎ上りだ。

 真っ先に踊られるのは中央区のご当地盆踊り楽曲「これがお江戸の盆ダンス」。“チュチュッとチュッチュと中央区~♪”のフレーズが耳から離れなくなりそう。そんな昭和の風情たっぷりの楽曲があるかと思えば、荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」をはじめ、ハイテンポでノリノリのナンバーなど、強弱をつけた楽曲構成が盆踊りを盛り上げていく。見よう見まねで踊るだけでもこんなに楽しいとは!

 来年の夏はもっと本格的に盆踊り巡りをしてみようか。 <浩>

(山と溪谷社 1320円)

【連載】毎日を面白くする やってみよう本

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