「クロール大全」竹内慎司著

公開日: 更新日:

 健康のため毎週プールに通っているが、あるとき隣のレーンを泳ぐ年配スイマーが私よりクロールのスピードが速いことに気づいた。なにくそとスピードアップを試みたものの、思うように進まない。いったいなぜだ!?そう考えていたところ見つけたのが、速く楽に泳げるメソッドを紹介する本書だ。

 まずは、「体幹グライド」というのをやってみる。プールの中で両手をももの前に置き、姿勢を真っすぐにしたまま前に倒れる。同時に膝を曲げ、底を蹴って前に進む。頭頂部から足まで一直線にして水面と平行になれているかがチェックポイントだ。水の抵抗を減らすためには、水面で下半身が上がっている姿勢が正しくできているかが大事だという。

「こんな動作、簡単」と思いながらやってみた。しかし、ぜんぜんうまくできない! 何しろ、体が真っすぐにならず、腰や足が沈んでしまう。本書には、発生する問題と解決方法が細かに書いてあった。

 どうやら原因は顔の向き。プールの底の模様を確認するように下を見つつ、顎は引きすぎてもダメで直立姿勢のときの顎と首の距離感を保つように意識せよとアドバイスする。なるほど、これだけで腰と足が浮いて真っすぐになり、水面を滑るように進めるようになった。

 水をかくときに体が横向きになる悩みもあったのだが、これは伸ばした手が内側に入っているせいだと分かった。本書の指示通り、進行方向から30度外側を意識して手を伸ばしてみると、体がブレずにスイスイ進んで行くではないか! 今までどれだけ間違った動きをしていたかがよく分かった。メソッドをマスターすれば、今より10~15%のスピードアップが期待できるそうだ。 <浩>

(晶文社 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  3. 3

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  4. 4

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  5. 5

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  1. 6

    12月でも被害・出没続々…クマが冬眠できない事情と、する必要がなくなった理由

  2. 7

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  4. 9

    黄川田地方創生相が高市政権の“弱点”に急浮上…予算委でグダグダ答弁連発、突如ニヤつく超KYぶり

  5. 10

    2025年のヒロイン今田美桜&河合優実の「あんぱん」人気コンビに暗雲…来年の活躍危惧の見通しも