「見えない轍(わだち)」鏑木蓮著

公開日: 更新日:

 心療内科医の本宮が、京都で開業したクリニックに女子高生の春来が母親に連れられ来院する。母親によると数日間、食事を取っていないという。2人だけで話を聞くと、春来が4日前の夕刊の切り抜きを差し出す。

 記事は、前日にスーパーのアルバイト店員・由那の不審死体が発見されたというもので、警察は自殺とみているようだ。春来は、由那とは通学途中の電車の窓越しに顔を合わせるだけで話したこともないという。由那はいつも線路わきで電車を見ていたらしい。

 事件当日、あることで悩んでいた春来は由那からガッツポーズで励まされたという。そんな由那が自殺するはずはないと春来は断言する。本宮は治療の一環として事件について調べ始める。

 江戸川乱歩賞受賞作家による渾身(こんしん)のミステリー。

(潮出版社 880円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  3. 3

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 4

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  5. 5

    日銀を脅し、税調を仕切り…タガが外れた経済対策21兆円は「ただのバラマキ」

  1. 6

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  2. 7

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 8

    林芳正総務相「政治とカネ」問題で狭まる包囲網…地方議員複数が名前出しコメントの大ダメージ

  4. 9

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  5. 10

    角界が懸念する史上初の「大関ゼロ危機」…安青錦の昇進にはかえって追い風に?