「スタグフレーション」加谷珪一著

公開日: 更新日:

 今回のインフレの直接的な原因は、原油価格高騰やウクライナ侵攻、そして円安などといわれるが、それだけでここまでの大規模なインフレは発生しないと著者は言う。

 一連の物価上昇には、さまざまな要因が複雑に絡み合っているゆえに、長期化を覚悟しなければならないという。各国は景気を犠牲にして金利を上げて物価の抑制に動いているが、不景気が続く日本は高金利政策を採用できない。

 そんな中、もっとも危惧しなければならないのが、不景気下のインフレ=スタグフレーションだ。スタグフレーションに陥ると、ほとんどの経済政策は効果を発揮しなくなり、そこからの回復が極めて困難になるからだ。そのリスクが高い日本で起こっている物価上昇の背景を解説してくれる経済テキスト。 (祥伝社 968円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ