「からだの美」小川洋子著

公開日: 更新日:

「からだの美」小川洋子著

 チェスは盤のマス目が8×8で中心がないと羽生善治九段は言う。9×9の将棋盤には中心があり、そのマス目の中に人間が最高の知力をもって挑んでも解明できない謎がある。

 もはや一手のミスも許されない終盤でギリギリ道筋が見えたとき、羽生の手は震える。羽生の前には誰の足跡も残っていない、果てしない暗闇が広がっている。右手中指の先にあるのは枠を超えた未来であり、羽生の指は将棋盤の中心に渦巻く宇宙の摂理と共鳴して震えるのだ。(「棋士の中指」)

 ほかに、文楽の人形の空洞になっている胴体に手を差し入れて恋心や憎悪を表現するなど、人の体をテーマにしたエッセー集。 (文藝春秋 1760円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    橋本環奈に近日ゴールイン説が再浮上…破局説も流れた中川大志と表参道デート&高級パジャマ

  2. 2

    「コンサル」名乗るシニアは「ほぼ無職」 それでも「自分は現役ホワイトカラー」の仮面を外せないオジさんたちの終わりなき戦い

  3. 3

    映画「エルヴィス」にはガッカリだったが、今度の「Michael/マイケル」はいい!

  4. 4

    美輪明宏さんが生前“予言”していた「フジテレビの惨状」と訴え続けた「平和への思い」

  5. 5

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  1. 6

    亀梨和也&田中みな実がゴールイン! 昨年の破局説に亀梨ファンは一時“安堵”も…突然訪れた「ツラい現実」

  2. 7

    二宮和也"嵐解散"発言が物議…再始動を望むファンに突きつけた現実と意外な肯定意見

  3. 8

    天皇皇后が訪問したオランダ・ベルギーの次期王位は「女王」に…欧州では男系優位の「サリカ法典」は過去のもの

  4. 9

    高市首相「小渕優子の乱」に真っ青! インナー辞任で4月消費税減税に暗雲…安易な“争点潰し”の大きすぎる代償

  5. 10

    高額療養費制度があるから医療保険はいらない? 病院の窓口業務を行う筆者が実際に骨折して感じたこと