「ゴリラの森、言葉の海」山極寿一、小川洋子著

公開日: 更新日:

 長年、アフリカの熱帯雨林で野生のゴリラを研究してきた霊長類学者と人気小説家の対談集。

 山極氏は、ゴリラは人間の模範であるとともに、人間の本当の姿を映し出す、「人間の鏡」だという。26年ぶりに再会したマウンテンゴリラの「タイタス」が見せた意外な行動や、群れを離れて1匹で行動するオスのゴリラが歌うハミング、フクロウの子どもなどの自分よりも小さな動物と遊んだり、ペットのネコを飼うゴリラなど、驚くべき生態が次々と紹介される。小川氏は、ハミングするゴリラのエピソードに孤独をかみしめるのは人間だけの特権ではないと彼らの物語を見いだす。

 他にもゴリラの話題を足掛かりに、約束という未来の共有や父性の役割、死の概念、そして暴力の意味など縦横に展開する対話に好奇心が刺激される。

(新潮社 649円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TBS「ラヴィット!」の“テコ入れ”に不評の嵐! グダグダぶりを楽しむ独自性損失で視聴者離れ加速危機

  2. 2

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  3. 3

    「オールスター感謝祭」で“ブチギレ説教” …島崎和歌子は今や「第2の和田アキ子」の域

  4. 4

    NHK朝ドラ「風、薫る」巻き返しを阻む“最大のネック”…見上愛&上坂樹里Wヒロインでも苦戦中

  5. 5

    米国とイランが2週間の停戦合意も日本は存在感ゼロ…お粗末すぎた高市外交を識者「完全失敗」とバッサリ

  1. 6

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  2. 7

    高市政権が非情の“病人切り捨て”強行で大炎上! 高額療養費見直し「患者の意向に沿う」は真っ赤なウソ

  3. 8

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  4. 9

    JFAは森保一氏の“囲い込み”に必死 W杯後の「次の日本代表監督」のウワサが聞こえない謎解き

  5. 10

    『エニイ・タイム・アット・オール』1964年のジョンのギターを聴くだけで元気が出る