「古墳とはなにか」松木武彦著

公開日: 更新日:

「古墳とはなにか」松木武彦著

 日本には巨大な前方後円墳から小さな塚まで、約16万基もの古墳がある。本書は、認知考古学の視座から、古墳の成立から発展、そして衰退までを考察したテキスト。

 古墳の出現は紀元後3世紀。それ以前の縄文から弥生時代の人々が、どのような墓をつくっていたのかをまず振り返る。弥生時代も墳丘の大型化や埋葬施設の入念化、副葬品の増加が見られるが、その延長線上に古墳が登場したわけでない。その大きな違いは、弥生の墓は親族集団の墓であり、古墳は個人のための墓で、葬られる人は「神格化」されているという。

 さらに古墳は、なぜ前方後円墳のあの形になったのか、当時の人の目にはどう映り、その心をどう動かしたのかなど、人の心の動きの分析を通して迫っていく。

(KADOKAWA 1144円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  2. 2

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    「フジ日枝案件」と物議、小池都知事肝いりの巨大噴水が“汚水”散布危機…大腸菌数が基準の最大27倍!

  5. 5

    “ホテル暮らし歴半年”20代女子はどう断捨離した? 家財道具はスーツケース2個分

  1. 6

    「ホテルで1人暮らし」意外なルールとトラブル 部屋に彼氏が遊びに来てもOKなの?

  2. 7

    TKO木下隆行が性加害を正式謝罪も…“ペットボトルキャラで復活”を後押ししてきたテレビ局の異常

  3. 8

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  4. 9

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  5. 10

    松たか子と"18歳差共演"SixTONES松村北斗の評価爆騰がり 映画『ファーストキス 1ST KISS』興収14億円予想のヒット