「東北学/忘れられた東北」赤坂憲雄著

公開日: 更新日:

「東北学/忘れられた東北」赤坂憲雄著

 東北学を提唱する著者が、東北各地をフィールドワークしながら思索を重ねる論考集。

 かつて日本のチベットと称された岩手県九戸郡山形村、その山深い過疎の村のさらにはずれにある戸数わずか5戸の木藤古集落を訪ねる。雑穀と炭焼きの村だ。石臼を水の力で動かす「バッタリ」が雑穀をつく音を聞きながら、かつて強引な稲作への転換に駆り立てられた東北の村が、近代になっても深刻な凶作に繰り返し見舞われ、その後も減反政策やコメの自由化に翻弄されてきた歴史を振り返る。そうした稲作への転換が、列島の村々の衰微をもたらした事実を明らかにする。

 以降、山形、秋田、岩手の各地をくまなく歩き、日本文化を深層から問い直した野辺歩きの記録。

(岩波書店 1837円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?