「メディアとテロリズム」福田充著

公開日: 更新日:

「メディアとテロリズム」福田充著

 テロリストやテロ組織は、自らの政治的主張を世界に宣伝するために、事件を起こし、メディアを利用する。本書は、両者の共犯関係を解説したテキスト。

 2017年、英国のコンサート会場で自爆テロが発生、多数の死傷者が出た。犯人は英国生まれのイスラム教徒で、組織に所属していない個人の犯行だった。しかし、テロ組織イスラム国は事件に乗じて犯行声明を発表。

 一昨年の安倍元首相銃撃事件では、事件後、メディアが連日、山上被告家族と旧統一教会とのトラブルを報道。被告が望み仕組んだ通りに旧統一教会は社会問題化し、メディア報道は結果的に被告のテロリズムの目的達成に加担したのである。

 こうした国内外のテロ事件を検証しながら、メディアとテロリズムとのあるべき関係を考察する。 (新潮社 924円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    横綱・大の里まさかの千秋楽負傷休場に角界から非難の嵐…八角理事長は「遺憾」、舞の海氏も「私なら出場」

  3. 3

    2026年大学入試はどうなる? 注目は公立の長野大と福井県立大、私立は立教大学環境学部

  4. 4

    東山紀之「芸能界復帰」へカウントダウン着々…近影ショットを布石に、スマイル社社長業務の終了発表か

  5. 5

    「総理に失礼だ!」と小池都知事が大炎上…高市首相“45度お辞儀”に“5度の会釈”で対応したワケ

  1. 6

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  2. 7

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  3. 8

    義ノ富士が速攻相撲で横綱・大の里から金星! 学生相撲時代のライバルに送った痛烈メッセージ

  4. 9

    同じマンションで生活を…海老蔵&米倉涼子に復縁の可能性

  5. 10

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択