「京都を歩けば『仁丹』にあたる」樺山聡、京都仁丹樂會著

公開日: 更新日:

「京都を歩けば『仁丹』にあたる」樺山聡、京都仁丹樂會著

 著者は京都の街を歩いていて視線を感じた。視線の主は住宅の外壁に貼られた仁丹の広告に描かれているカイゼルひげの男だった。ブリキ板の町名表示板に仁丹の広告が載っているのだが、こういう表示板は京都だけである。

 森下仁丹の社史によれば、町名表示がなくて郵便配達人などが苦労しているため、明治43年から仁丹の商標入りの町名看板を掲示するようになった。東京や大阪にもあったが戦災で焼失、京都のものだけが残ったらしい。「仁丹」町名表示板はいまや絶滅寸前だが、京都仁丹樂會の調査では、喫茶店などに保管されている「埋蔵仁丹」もある。

 京都新聞の記者が町名表示板の謎を解くユニークな京都ガイド。 (青幻舎 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ