「京都食堂探究」加藤政洋、<味覚地図>研究会著

公開日: 更新日:

「京都食堂探究」加藤政洋、<味覚地図>研究会著

 京都の町のあちらこちらにある食堂の、一見すると普通に見えるメニューに隠された謎と驚きを解き明かす食文化エッセー。

 大阪で「タヌキ」といえば甘く煮た油揚げがのった「そば」、つまり東京の「キツネそば」のこと。一方、京都の食堂の「タヌキ」は、キツネ=それも刻んだ油揚げがのった「あんかけ」のそば/うどんだという。さらに、なぜ大阪の油揚げは甘く煮られ、京都のそれは刻んだだけなのか、その理由に迫る。

 ほかにも、京都の食堂なら、どんな店にもある「しっぽく」と「のっぺい」にはじまり、「衣笠」などの丼メニュー、そして京都食堂のメニューに欠かせない「中華そば」にまで迫る。

 実在の食堂にも言及しながら、京都の知られざる庶民の食の奥深さを教えてくれる面白本。

(筑摩書房 880円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  2. 2

    梅宮アンナ「10日婚」短期間で"また"深い関係に…「だから騙される」父・辰夫さんが語っていた恋愛癖

  3. 3

    国分太一が無期限活動休止へ…理由は重大コンプラ違反か? TV各局に全番組降板申し入れ、株式会社TOKIO解雇も

  4. 4

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題か...大谷の“献身投手復帰”で立場なし

  1. 6

    中学受験で慶応普通部に合格した「マドラス」御曹司・岩田剛典がパフォーマーの道に進むまで

  2. 7

    進次郎農相の化けの皮ズルズルはがれる…“コンバイン発言”で大炎上、これじゃあ7月参院選まで人気持たず

  3. 8

    砂川リチャード抱える巨人のジレンマ…“どうしても”の出血トレードが首絞める

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  5. 10

    「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ