「毎日の暮らしが深くなる季語と俳句」岸本葉子著

公開日: 更新日:

「毎日の暮らしが深くなる季語と俳句」岸本葉子著

 旧暦4月1日は衣服を夏物に替える衣替えである。〈スクランブル交差点けふ更衣 岸本葉子〉は、渋谷の交差点を夏服の人びとが一斉に歩き出すのを見て、今日は衣替えだったという実感をうたった句。岸本はロシアに行ったとき、初夏なのにノースリーブの人もいれば、毛皮つきコートを着ている人もいるのを見て、日本ではやはり「衣替え」の意識がはたらいていると感じた。

 夏至の頃の季語が短夜を意味する「明易(あけやす)」。〈明易や産業道路六車線 岸本葉子〉は、産業道路を夜通し走るトラックの運転手が、日の出の時間が早くなったことを実感するシーンをうたった句。

 現代に生きる季語と俳句を紹介するエッセー。

(笠間書院 1650円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  3. 3

    浜田省吾が吉田拓郎のバックバンド時代にやらかしたシンバル転倒事件

  4. 4

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 5

    「いま本当にすごい子役」2位 小林麻央×市川団十郎白猿の愛娘・堀越麗禾“本格女優”のポテンシャル

  1. 6

    幼稚舎ではなく中等部から慶応に入った芦田愛菜の賢すぎる選択…「マルモ」で多忙だった小学生時代

  2. 7

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  5. 10

    フジテレビ系「不思議体験ファイル」で7月5日大災難説“あおり過ぎ”で視聴者から苦情殺到