「AI監獄」ウイグルジェフリー・ケイン著、濱野大道訳

公開日: 更新日:

「AI監獄」ウイグルジェフリー・ケイン著、濱野大道訳

 中国政府は、2017年以降、新疆ウイグル自治区でウイグル人やカザフ人ら推定180万人もの人々を「思想ウイルス」や「テロリスト思考」を持っているとして強制収容所に連行して拷問や洗脳、教化を実施。収容所送りを免れたとしても、私生活は常に幾重にも監視され、「心のウイルス」に感染していないか確かめられる。

 すべての立ち寄り先でIDカードをスキャンされ「信用できる」という表示が出なければ入場を許されない。信用できるかどうかは、顔認証カメラの記録によってAIが判断。中国政府が目指しているのはひとつの民族のアイデンティティー、文化、歴史を葬り去り、何百万という人々を同化させることだという。

 最先端の監視技術を用いてディストピア化したウイグルの実態を告発するノンフィクション。 (新潮社 1100円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・大山悠輔「5年20億円」超破格厚遇が招く不幸…これで活躍できなきゃ孤立無援の崖っぷち

  2. 2

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  3. 3

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  4. 4

    W杯最終予選で「一強」状態 森保ジャパン1月アジア杯ベスト8敗退からナニが変わったのか?

  5. 5

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  1. 6

    指が変形する「へバーデン結節」は最新治療で進行を食い止める

  2. 7

    ジョン・レノン(5)ジョンを意識した出で立ちで沢田研二を取材すると「どっちが芸能人?」と会員限定記事

  3. 8

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 9

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  5. 10

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も