「トイレと鉄道」鼠入昌史著

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「トイレと鉄道」鼠入昌史著

 電車や列車、新幹線にトイレがなかったら──想像するのも恐ろしいが、開業当時(1872年)の鉄道の車両にはトイレは設置されておらず、ゆえにさまざまな悲劇が生まれた。我慢できずに窓から放尿して高額の罰金を徴収された乗客もいたという。停車時間に駅のトイレに行ったが、戻ると列車が動き出しており、飛び乗ろうとして轢死した高級官僚もいた。

 日本で初めてトイレが備えられた列車は、1876年に製造された天皇専用の車両「御料車」だった。一般の乗客が使える列車トイレは1888年、鉄道黎明期の私設鉄道会社山陽鉄道が始まりだった。当時の列車トイレは「開放式」と呼ばれる垂れ流しだ。

 以降、現在の快適なトイレに至るまで150年におよぶ鉄道とトイレの歴史を詳述した異色鉄道本。 (交通新聞社 1100円)

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