「貧困とは何か」志賀信夫著

公開日: 更新日:

「貧困とは何か」志賀信夫著

 かつて「貧困」という概念(貧困の意味)は、「食べることができないほどの生活状態」に限定されていた。しかし、現在では「食べることができているから」といって貧困ではないと断定することはできない。人々の諸関係の中で紡ぎ出される「規範(=社会規範)」が変化し、それが貧困概念を拡大させたからだ。

 日本の憲法は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とするが、安倍政権下で生活保護基準は「絶対的貧困」と呼ばれる水準にまで引き下げられ、「健康で文化的な最低限度の生活」との距離が拡大している。

 この不寛容な国家と社会は、人を殺し、今も殺し続けていると著者は指摘する。

 貧困理論の歴史的展開を振り返り、現代の貧困をどのように理解すべきかを解説したテキスト。 (筑摩書房 968円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市首相が参院自民にイライラMAXで爆発寸前! 予算案の年度内成立断念で身内に八つ当たりの醜悪

  2. 2

    世界陸上マラソンで金メダル谷口浩美さんは年金もらい、炊事洗濯の私生活。通学路の旗振り当番も日課に

  3. 3

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  4. 4

    武豊プロミストジーンを勝利に導く「第3回兵庫女王盃(JpnⅢ)」~園田競馬

  5. 5

    地方での「高市効果」に限界か…東京・清瀬市長選で自民現職が共産候補に敗れる衝撃

  1. 6

    阪神・藤川監督に「裸の王様」の懸念 選手&スタッフを驚愕させた「コーチいびり」

  2. 7

    第2子妊娠の倖田來未が18年前の“羊水発言”蒸し返されるお気の毒…SNSには「擦られすぎ」と同情の声

  3. 8

    ナフサ供給に暗雲で迫る医療危機…それでも高市政権「患者不安」置き去りの冷酷非情

  4. 9

    Wソックス村上宗隆にメジャーOB&米メディアが衝撃予想 「1年目にいきなり放出」の信憑性

  5. 10

    全国模試1位の長男が中学受験、結果は…“ゲッツ‼”ダンディ坂野さんに聞いた 子への接し方、協力の仕方