「それでも食べて生きてゆく 東京の台所」大平一枝著

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 21歳の専門学校生は、そううつ病の母と、家事に関心がない祖母に育てられた。

 収入は祖母の年金と母の障害年金、生活保護費。母は生活保護費が入ると洋服などを買い込み、家はモノであふれかえっていた。娘がバイトで貯めた学費を母が持ち出して男と駆け落ちした。

 なんとか上京して1人暮らしを始める。ベーコンを焼いたが「火が通るまで」がわからない。いつも野菜炒めばかりだったから。学校の講師からどのジャンルに進みたいか聞かれたが、答えられない。だが、自分で稼いだお金で、安いからでなく、好きなデザインのものを買える。それだけで幸せだ。(「二一歳春。実母と縁を切る」)

「台所」を通してさまざまな人生をリポートしたノンフィクション。

(毎日新聞出版 1870円)

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