「裁判官も人である」岩瀬達哉著

公開日: 更新日:

「裁判官も人である」岩瀬達哉著

 人が人を裁くという特別な責務と、国の政策をも変更しうる権力を与えられている裁判官には、最良の知性と良識、教養に裏打ちされた判断力が求められる。

 裁判官は、全国598カ所の裁判所に3060人(2018年度)が配置され、1人あたり年間200~350件の事件を担当する。事件の処理が遅れると内部評価に響く一方で、誤判をしても責任を問われることはなく、無罪が確実であっても、上級審があるので、検察官と対立するより、とりあえず有罪にしておこうという心理に陥るという。

 世間の常識から乖離した閉ざされた世界で、裁判官たちはどのような思いで法廷に臨んでいるのか、そして裁判所はどのような組織風土と論理のもとに運営されているのか。現・元職裁判官を取材したノンフィクション(講談社 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因