「日本史 敗者の条件」呉座勇一著

公開日: 更新日:

「日本史 敗者の条件」呉座勇一著

 成功は、偶然や幸運に支えられていただけのことも多い。しかし、敗北や失敗には明確な原因が必ずある。本書は、あえて歴史上の敗者に注目して、彼らがなぜ敗れたのか、失敗したのかを考察する歴史テキスト。

 まずは源義経を取り上げる。源平合戦において頼朝は、ほぼ鎌倉におり、戦場で軍を指揮して平家を滅ぼしたのは弟の義経だった。指揮官としては超一流の義経がなぜ最終的に敗者になったのか。その足跡を検証しながら著者は、現代の事例に例えるなら、義経は経営陣の方針を無視して勝手にプロジェクトを進めたり、会社の肩書があるから仕事が出来ていたのに、すべて自分の実力によるものと勘違いしたなど、その敗因を指摘する。

 以降、西郷隆盛から山本五十六まで8人の敗者に学ぶ。 (PHP研究所 1100円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  2. 2

    円安地獄で青天井の物価高…もう怪しくなってきた高市経済政策の薄っぺら

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  5. 5

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  1. 6

    佐々木朗希がドジャース狙うCY賞左腕スクーバルの「交換要員」になる可能性…1年で見切りつけられそうな裏側

  2. 7

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ

  3. 8

    “第二のガーシー”高岡蒼佑が次に矛先を向けかねない “宮崎あおいじゃない”女優の顔ぶれ

  4. 9

    二階俊博氏は引退、公明党も連立離脱…日中緊張でも高市政権に“パイプ役”不在の危うさ

  5. 10

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明