「あわわこさま 不村家奇譚」彩藤アザミ著

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「あわわこさま 不村家奇譚」彩藤アザミ著

 菊太郎は、園丁の父親が仕える東北の旧家・不村家の屋敷で生まれ、幼い頃から使用人のひとりとして働いてきた。不村家の使用人は、すべて異形の者で、菊太郎だけ例外だった。菊太郎が7歳のときに生まれた不村家の跡継ぎの愛一郎には、足がなかった。

 以降、不村家の憑き神「あわこさま」が、愛一郎がもって生まれることができなかった足の姿で菊太郎の前に現れるように。愛一郎は成長とともに、その神がかりな聡明さを発揮。不登校になった愛一郎の姉・久緒のもとに通う教師の唐木も舌を巻くほどだ。幼い愛一郎によって傾きかけた不村家の財政状況も好転。そんなある日、久緒の元を訪ねてきた唐木の前にあわこさまが出現する。

 不村家にあだなす者を許さない、憑き神のもたらす怪異を描くミステリー。

(新潮社 781円)

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