「あわわこさま 不村家奇譚」彩藤アザミ著

公開日: 更新日:

「あわわこさま 不村家奇譚」彩藤アザミ著

 菊太郎は、園丁の父親が仕える東北の旧家・不村家の屋敷で生まれ、幼い頃から使用人のひとりとして働いてきた。不村家の使用人は、すべて異形の者で、菊太郎だけ例外だった。菊太郎が7歳のときに生まれた不村家の跡継ぎの愛一郎には、足がなかった。

 以降、不村家の憑き神「あわこさま」が、愛一郎がもって生まれることができなかった足の姿で菊太郎の前に現れるように。愛一郎は成長とともに、その神がかりな聡明さを発揮。不登校になった愛一郎の姉・久緒のもとに通う教師の唐木も舌を巻くほどだ。幼い愛一郎によって傾きかけた不村家の財政状況も好転。そんなある日、久緒の元を訪ねてきた唐木の前にあわこさまが出現する。

 不村家にあだなす者を許さない、憑き神のもたらす怪異を描くミステリー。

(新潮社 781円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  2. 2

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  3. 3

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 4

    「べらぼう」大河歴代ワースト2位ほぼ確定も…蔦重演じ切った横浜流星には“その後”というジンクスあり

  5. 5

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  1. 6

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  2. 7

    高市首相の台湾有事発言は意図的だった? 元経産官僚が1年以上前に指摘「恐ろしい予言」がSNSで話題

  3. 8

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  4. 9

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  5. 10

    高市政権の「極右化」止まらず…維新が参政党に急接近、さらなる右旋回の“ブースト役”に